嗚呼!! 燻製への道 その6
燻製の心は求道の心。
燻製への道は、長く険しい茨の道だ。
人が持つ唯一絶対の力。それは、自らの意思で進むべき道を選択することだ。
だから、燻製にとって最良の未来を想い、自由に選択していけばいい。
だが、千里の道も一歩から、だな。
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さて、意味不明な前置きはこれくらいにして、
まずは寝かせた豚を取り出すぞ。
ああ、見た目ではよく分からんが、いい感じに塩漬けられてるんじゃないか。
表面を洗っておこう。
塩抜きの目安は2時間程度だが、多目にとっておいた方がいいだろう。
水に浸けたからといってほったらかさずに、途中で裏返したりしてやるのを忘れるな。
塩抜きが終わったら乾燥だ。
特に冷やす必要はないのだが、他に置き場がないのでまた冷蔵庫に入れておくよ。
いよいよ燻製に近づいてきたぞ。
君達にとっては明日の出来事だな。
ということで燻製機の完成を急がねばなるまい。
ここでアルミテープの登場だ。
切り口に貼っていくぞ。
これは密閉性と安全性の両方に役立っている。
ドア側、本体側に隙間なく貼ってやろう。
どうだ。
見ての通り、継ぎ目すらない美しいフォルムだろ。
だが私は肝心なことを忘れていた。
いや、正確には特に案もないので忘れたふりをしていたのだが。
このドア、閉まらないのである。
当然のことだが、燻製はある程度密閉された状態で燻煙されなければならない。
残された道具は数少ない。
というより、テープで留めるわけにもいかないし、
まともに使えるのは針金くらいしかない。
果たしてこの状態で何ができるのか…。
万策尽きたかと思われたその時、
すでに役目を終えたと油断していた一つの道具が目に入った。
そう、ハンガーに使った焼串は2本あったのだ。
残りの1本を使って、なんとかドアをロックできないものか。
…よし、閃いた。
なんとかなりそうだ。これで試してみるか。
まず針金をこのように曲げて底に配置する。
背面を這わせて上部へ。アルミテープで固定してしまおう。
前面で焼串に巻き付ければ、簡易ロックの完成だ。
底からはみ出ている針金に焼串を引っかけることでドアを圧迫する仕掛けだな。
人間の言葉で説明すると何だかよく分からんが、まぁ見ての通りだ。
密閉度も大丈夫だ、問題ない。
長かった燻製機製作もこれでようやく本当の完成だな。
ネタ的には何のヒネリもなかった今回だが、
まぁいいんじゃないか。
次はいよいよ燻煙に取り掛かるぞ。
ではまたその時に。
to be continued...