嗚呼!! 燻製への道 その3

また奇妙なやつが出てきたぞ。




これは「スモークウッドミニ こだわり派」だ。



通常、燻煙にはチップが使われる。

チップと言っても、ウエイトレスやホテルのベルボーイに支払うあれではないぞ。

ところで、そっちのチップの話だが、日本などアジア圏にはチップの慣習がないため、
旅先などでチップ絡みのトラブルなんてものも少なくない。

海外旅行に行く際には、その国のチップ事情を調べていくくらいが
最低限のエチケットであり、トラブルを未然に防ぐことにもなるんじゃないか
と私は考える。
払わなくてもいいところでやたらめったらとばら撒くものでもないし、
払って当然の場所でしれっと素通り、というのも得策ではない。

参考に少し例をあげておこうか。

レストランなどで食事をし、カードで支払う際に、
「チップの金額を書き込む欄」というのが存在することがある。
まずその有無を見逃すな。

だが、気をつけろ。あらかじめサービス料が計上されている場合もあるからな。
二重取りに留意しつつ、合計金額の10〜15%程度のチップ額を書き込もう。

次にホテルのベッドメイキングに関してだが、
これについてはいささか誤解があるようだ。
はっきり言ってしまえば不要。
よほど汚してしまった場合においてはこの限りではないが…
まぁ、海外だからといってあまりハメを外さないようにな。

最後はカジノだ。
大きく勝った場合にディーラーにチップを支払う。
相場はどのくらいなのか…調べれば分かるだろうが、
すまない。ギャンブルには興味がないのでね。
なんにせよ、紳士っぽくて中々素敵な習慣じゃないか。



おっと、おしゃべりがすぎたようだな。


ここで言うチップとは、要するに木材の小片のことであり、
代表的なものではサクラなどの燻煙材(スモークチップ)が売られている。


さあ、ここでスモークウッドとスモークチップの違いを簡単に説明しよう。

まずスモークチップは、煙を出す時に常に下から熱を加えていなければならない。
一度に大量の煙を出す方法としては向いていると言えるな。
だが長時間の燻煙の際は、途中何度も継ぎ足さなければならない
というデメリットがある。

一方スモークウッドは、一度点火すると長時間煙を出し続けるという優れモノ。
言うなれば、人間の知恵の結晶ってところか。
うまく使いこなせよ。


この「スモークウッドミニ こだわり派」については1個につき約2時間、
3個で合計6時間お任せだ。
ベーコンは燻煙に時間がかかるから、これが好都合と考えたわけだな。


大して調べてないと言いながらも結構詳しいって?
いやいや、燻製を甘くみちゃぁいけない。
燻製を笑う者は燻製に泣く。
燻製の世界は海よりも深く、ネットより広大だ。
この程度の知識はプロからみたら所詮素人の浅知恵。
なんにも分かっちゃいないのさ。

実際やってみたからこそ分かることなのだが、
事実は小説よりも奇なり。何事も想像通りにはいかないものだ。



と、いうところで今回はそろそろ時間だ。
まぁ例によってまったく進まなかったがな。


次はいよいよ本格的な燻製機作りに着手するぞ。



to be continued...

嗚呼!! 燻製への道 その1

よし分かった、説明しよう。


ここからは時系列にのっとって、
仕込みと燻製機製作の同時進行となる。


ちなみに、画像でモザイク処理されている部分は、
画的に美しくない、と判断されたものだということをご理解いただきたい。
神がそうであるように、人間もまた美しいものを好む。
つまりはそういうことだ。


ここは一般家庭ではないんでね。工具もロクにそろってはいない。
まずはそこから、ということになる。

こんな時の強い味方といえば、かの有名なダイソーだ。
実はダイソーは意外と工具が充実してるのをご存知だろうか。
もちろん105円というわけにはいかないが、品揃えがいいので、大抵の物はここで揃う。

今回新たに買い足したのは、
タガネ、ゲンノウ、貫通の3点セットだ。
当初は貫通だけでなんとかなるだろうと思い、タガネは予備だったのだが、
後にタガネを買っておいて本当によかったと思うことになる。



これはベーコン用の豚バラブロックと、クレイジーソルトだ。

自家製ベーコンを作る際には、
普通、様々なハーブとか調味料を自分好みに擦り込んでいくんだそうだが、
なにせ初めてなもんでね。
とりあえず岩塩ベースが嬉しいこのクレイジーソルト
クレイジーに塗り込んでいこうと思う。



さて、早速だが、
まずは豚をフォークでめった刺しにする。とは、どこかで聞いた台詞だな。

こうすることによって、調味料を染み込ませ易くしようというわけだ。
昔の人はよく考えたもんだな。


後は簡単だ。

クレイジーソルトを満遍なくふり注ぎ、揉みしだくべし。

料理は愛情。この過程が重要だ。

某まいんちゃんなら、ここで「おいしくな〜れ、おいしくな〜れ☆」
とか呪文を唱えるところだが、今回は自重しておこう。


ああ、側面だっておろそかにしてはならない。

余すことなく豚を塩漬けにしてやるのだ。




どうだ、まるで塩の塊のようではないか。いいんじゃないかな。


終わったらラップで巻いてやるんだ。

まぁこの辺は人それぞれやり方があるんだと思う。
十人十色でいいんじゃないか。
せっかくの自家製、みんな同じじゃあつまらないしな。


その後は一週間ほど寝かせなければいけない。

とりあえず冷蔵庫に入れておくとしよう。
外に出しておいて犬猫に食われでもしたら大変だからな。


さて、次は燻製機の方を進めるとしようか。
ではまたその時にでも。



to be continued...

話をしよう。


あれは今から36万…
いや、1万4千年前だったか…

まぁいい。

私にとってはつい先週の出来事だが、
実際にも多分、先週くらいの出来事だ。


料理も日曜大工も得意でない人間が、
予備知識もなく、たいした下調べもせずに、
思い付きと想像でなんとなく自家製燻製を作ろうとしたらどうなるか。

そんな実験をクリスマスなどを全く無視して年末に行った。


ということで、結果発表を兼ねて、
いつものように燻製にまつわることや全然関係のない話などを盛り込みつつ、
短期集中連載してみたいと思う。
あまり自信はない。


ちなみにタイトルは漫画家・みやすのんき氏の本
『嗚呼!!ポルシェへの道 喜びも悲しみもポルシェとともに!!』
から勝手にいただいたのだが、特に深い意味はない。
この本も読んだことがないので内容は知らないのだが、
なんとなく合ってるんじゃないかな。


じゃあ、行こうか。



そもそも、なぜ今「燻製」なのか。
という「そもそも論」から話していかなくてはなるまい。

私と燻製との出会いは意外と古く、20年ほど前に遡る。
当時、週刊少年ジャンプ漫☆画太郎先生の
珍遊記 -太郎とゆかいな仲間たち-』
という非常にショッキングな漫画が連載されていた。
懐かしいな。

物語の後半は太郎 vs 賞金稼ぎの外人軍団という構図になるのだが、
『怪物くん』ファミリーが元ネタとなっている外人軍団に
「フンガー」というフランケンをモデルにしたキャラクターがいた。

最後は自分で首を千切って死んでしまうのだが、その肉は酒屋の親父・まり男によって
燻製にされ、店の名物となったのだ。


これが私の燻製原体験なのだが、実は今回のこととは全く関係がない。

続けよう。


そもそも燻製とは何か。
そこからの方が糸口がつかめそうだ。


燻製とは、食材を燻煙することで保存性を高めると共に、
特有の風味を付加した保存食のことである。

燻煙により煙中の殺菌成分が食品に浸透すると同時に、
長時間の燻煙によって食品の水分量が減少することで起きる水分活性の低下により
保存性が高まる。

元々は傷み易い食材を長期間保存可能な状態に加工するための技術であるが、
保存技術の発達した現代ではその意味合いは失われ、
普段と違う食感や味わいを楽しむためのものと変化しつつある。
Wikipediaより一部抜粋)


なるほど、分からん。


要するに煙を当てて風味付けした食べ物ということだ。
スモークチーズなどが馴染み深いんじゃないかな。



私はこれらわずかな情報から、
勝手に燻製を定義した。


一、燻製とは、男の料理なり
一、燻製とは、冬の料理なり
一、燻製とは、想像なり。そして創造なり
一、聖域なきコストカット


以上が今回燻製を作ることになった経緯である。
つまり、思いつきだ。


鉄は熱いうちに打て。
早速行動開始だ。


燻製を作るに当たって、一番最初に思いついたのは、
「一斗缶で燻製機を作る」ということだ。

一斗缶とは、ご存知の通り内容量18リットルの金属缶のことだが、
なにせ2ヶ月ほど前のことなので、なぜ一斗缶を使おうと思ったのかは
今となっては分からない。

「なんか大きさ調度良さそう!切ったりすんのも楽そうじゃね?タダだしね」
とでも思ったのだろうか。

12月に入ったくらいの頃から、私は一斗缶を求めて町をさまよい歩いた。
よく考えてみれば、居酒屋でバイトしてるわけでもないのに
そう簡単に一斗缶が手に入るわけもなく、時間だけが過ぎていった。

そもそもタダだから一斗缶にしようと思ったはずなのに、
「一斗缶って買ったらいくらするんだろ?」とか考えるようになってしまう
末期的症状で崩壊寸前のそもそも論。


そんなある日、知り合いのツテでなんとか一斗缶をゲットできる機会に恵まれた。
夢にまで見た一斗缶であったが、
手に入ってしまえば、
「てかなんでそんなに一斗缶にこだわってたんだ?」
という賢者っぷり。

まるで人生のようである。


とにかく、せっかく手に入れた一斗缶。この勢いを衰えさせてはいけない。
ここから事態は一気に加速するのであった。



to be continued...

真希波・マリ イラスト[E計画]

「一日一枚」を目標に、できたりできなかったりしながらも一応続いているお絵描き。

マリのE缶模写シリーズが完結した(っていっても6枚だけ)のでスキャンしてみました。
描いてないカットも含んだ破の全E関係台詞カットリストとキャプも
なぜか一緒に上げておきます。




「やっと乗せてくれたから、E」


「動いてる。動いてる。Eなぁ〜、ワクワクするなぁ」




「すっげーイタイけど、面白いから、Eっ!!」




「まあ、生きてりゃEや」




「...君、E匂い。L.C.L.の香りがする」




「さすが新型。胸もピッタリで気持ちE!」


「E匂い。他人の匂いのするエヴァも悪くない」




「あと、いちまいEい!」


「なら、早く逃げちゃえばEのに。ほら、手伝うからさ」




「成る程、都合のEやつね」









おまけ










ついでに


友人用のTwitter用アイコンを最近作りました〜(原画は友人によるもの)


Sネーク


Y子


Rちゃん

ホームレスと風見鶏

彼がオレの店に来たのは、そう、確か突然気温が10℃以下になった雨の日だった。


その日も母親に叩き起こされ、普段よりも遅く店を開けることになったのだが、
めずらしく開店前に来てくれたお客がいたようだった。遅れてすまない。

3時頃だったか、4時頃だったか、多分それくらいだろう。

店は地下だし、人通りも少ないもんでね。いまいち時間の感覚がつかめないんだ。

とにかく、そのくらいの時間に彼は来た。

彼はホームレスで学者だという。
身なりはそれほど汚らしくないが、ホームレスだと言われれば確かにそうかもしれない。
学者というのは、よく分からないが仲間内でのあだ名みたいなものか。自称、学者。


「時に君、風見鶏はあるかね?」


彼は聞いた。
何を言っているんだ。どこをどう見たらこの店に風見鶏があると…。

しかし彼は真剣そのものだ。
風の方向を知りたいのだという。
DIYのような所の物は高くて買えず、ここにたどり着いたらしい。


店の趣旨を説明すると、少し納得したようだった。



「ここの商品はどこで仕入れているのか」

「全てタイから買ってきています」

「タイか…サワディーカップ、コップンカー。ふふ、こんな感じであろう」

「よくご存知ですね」

「学者だからね」

こんなやりとりをしたと思う。



「風見鶏はありませんが、どうでしょう、この虎のコマなどは」


申し訳ないが、風見鶏は無いので全く関係のない商品を薦めてみた。
しかし、あまりお気に召さなかったようだ。


「それでは龍のコマはいかがでしょう」

「ふむ、これは中々いいものではないか」

「そうでしょうそうでしょう」

「いくらかね」

「600円です」


龍のコマはとてもいい商品だ。600円という値段は安いと自分でも思っているが、
彼は高過ぎるという。



「それではこのうまく回らない龍のコマを差し上げます」

「いいのかね」

「はい、うまく回らないコマに商品としての価値はありませんから」


すると、いたく喜んだ彼は、とっさに近くにあったマグネットを購入してくれた。
300円だ。


「ありがとうございます」

「いいんだよ。こちらこそコマをありがとう。またくるよ」

「よろしくお願いします」



その日のお客は彼とオレの知人2人だけだった。















※この話は、昨日聞いた実際の出来事を元に書いています。

FF7の思い出

俺はRPGをプレイするとき、無意味にキャラ全員の名前を変更するのが好きだった。

だからFF4のネミングウェイという「名前を変更してくれるだけ」の
誰得なキャラクターも実は俺得だったりして、
月のハミングウェイ一族の集落の中からもわざわざネミングウェイと接触して
名前を変更していたりしていた。

ただ、これもいつものことだが途中で飽きて全部元の名前に戻してしまう。
大体、キャラを自分で付けた名前で覚えてしまうと
友達と話ができなくなってしまうという問題も起きる。


唯一元に戻さなかった例を上げるとすると、DQ6の「ふくろ」の名前ぐらいだ。

俺は基本、プレイ中に攻略・裏技どころか説明書すら読まないので、
命名神マリナンの祠を訪れた際に

「うむ では だれの名前を かえたい というのじゃ?」

の質問に対して「ふくろ」を選択できたこと自体が衝撃だった。
だが、いざ変更するといっても相手はふくろだ。
生物でもなければ機械ですらない。

俺はあまり深く考えずに「おふくろ」と名付けた。

これが功を奏したのか、その後、なんとなくふくろに愛着が出てきたような憶えがある。


シンジ「うん…あ、戦闘の後さ、さっきの…やくそう出してただろ?
    あれって、何か、お母さん、って感じがした」
ふくろ「お母さん?」
シンジ「うん。何か、お母さんの配り方、って感じがする。
    案外、ふくろって主婦とかが似合ってたりして。あは、は…」
ふくろ「何を言うのよ…」




それはともかく、ご多聞に漏れずFF7でも俺は全員の名前を無駄に変更した。

エアリスの名前は「アクエリアス」にした。

もちろんそれは水瓶座のことではなく、コカコーラ社のスポーツ飲料のそれから来ている。
大した理由はなく、「なんとなく似ているから」というぐらいの気持ちだったんだろうと思う。

他のキャラの名前を何に変更したのかは覚えていない。
なぜならこれも例外なく後半に全員元に戻しているからだ。


しかし、ある事件が起こり、アクエリアスは途中でパーティーを外れることになる。
よってアクエリアスだけ名前の変更ができなくなったわけだが、
この時の俺はそれほど気にしていなかった。


アクエリアスはきっと帰ってくる。そしたら、ちゃんとエアリスに戻してあげよう。


ストーリーはどんどん進んでいき、
どう考えてもラスボスであるセフィロスとの戦いまできてしまった。

流石にここにきてアクエリアスがパーティーに復帰するというのはあり得ない展開と考えたが、もしそんなサプライズを用意しているとすれば…できる。
とか、てかセフィロス倒しても何かジェノバとかスゲー敵出てきてまだ続くんじゃねーのとか、
何も知らない俺は楽観的に考えていた。





しかし、とうとう彼女は帰らなかった。





GAME OVER


BAD ENDだ。




アクエリアスアクエリアスのまま死んでしまった。


インターネットが身近になかったあの時代。
俺はその事実を受け入れるのに丸一日くらいかかった気がする。

そもそも、アクエリアスはそれ以前にとっくに死んでいたのに、
俺は「きっと生きている。いつか帰ってくる」と信じていた。信じたかったのかもしれない。
なぜかは今となっては分からない。



数ヵ月後、「サガフロンティア」のディスクを使用したバグ技で
エアリスを復活させる方法を知ったが、試す気にはならなかった。
そんな亡霊のようなエアリスは俺のアクエリアスとはほど遠い存在、
慰めにもならないと思った。


この事件によって俺の中のエアリスは永遠にアクエリアスとなってしまい、
誰とも共有できない思い出となって残ってしまった。


ただ名前を変えて遊んでいただけなのに…。


不幸とは、往々にして何の前触れもなく唐突に訪れるものである。

俺はこの時それを知った。



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追記:実はFF6でもシャドウを魔大陸に置いてけぼりにしてしまい、
名前を元に戻せずにエンディングを迎えているが、
大して思い出深くない上に話の流れ的に余計と思い割愛させていただいた。

日々012

突然ですが、

「ブツブツ言う人が増えている」という話をご存知でしょうか。


ご存知も何も、そんな話は私の周りか私くらいしか言わないでしょうし、
マスコミもネットも取り上げることはないでしょうから、
知らない人がほとんどかと思われます。

しかしながら、「ブツブツ言う人」自体は
ちょっとでも都心やその周辺を通りすがった経験をお持ちの方でしたら、
必ず一度は目撃しているであろう種類の人達であることは間違いありません。

ブツブツ言う人とは、
簡潔に申しますと公共の場で独り言を言っている人達のことを指します。

具体的に言うと、特定の相手もいないのに、
あたかも誰かと会話をしているかのようにしゃべり続ける。
例えるなら、車の運転中に携帯ないしは車載電話を
マイク付きイヤフォンでハンズフリーで使用している人を思い浮かべてもらえれば
その姿に近いと言えなくもない状態です。

ブツブツと言っても、中にはかなり大きな声でしゃべっている場合もあり
その様相は三者三様。

原因としては
統合失調症などの精神病による幻聴・幻覚などが関係していると
考えられていますが、そうではない場合もあるのだそうです。

一方では、アスペルガー症候群の症状の一つとしてみる動きもあります。
アスペルガー症候群とは、興味や関心、コミュニケーション能力において
特異であるものの、知的障害がみられない発達障害に区分される
一種の自閉症のことなのですが、
まぁ要するに、はっきり言えば、
現在ブツブツ言う人の原因と明確な治療法は解明されていない、
ということです。


ところで、いちいちブツブツ言う人というのは長くて面倒なので、
たった今からブツブツの頭文字をとって

「B系さん」

と呼称することにします(ということで、以下、B系さん)。



つまり、そのB系さん達が今増えているという話題なわけです。


私が東京に出てきた頃には、
すでに街のいたる所にB系さんは出没していましたので、
東京ではそれが当たり前なのだと思っていました。


もちろん初めての邂逅(ファースト・コンタクト)は衝撃的で、
最初は私に何か語りかけられているのかと勘違いしてしまいました。

現場は電車内だったのですが、その最初の彼は、
気づいた時にはすでに何かを強く訴えており、
私は
「なに日本人のくせに金髪にしてるんだよ」
的な何かを叱責されているのかと一瞬思い、身構えました。
その時の彼が明らかに私の目を見て言っていたのも原因だと思われます。

しかし、よくよく聞いてみると
彼は耐震強度の偽装について一通りしゃべりまくったあげく、
当時の巨人軍などの問題点について彼なりの見解を示し始めたので、
「ああこれは私に言っているのではないんだな」と、理解しました。

近くにいた髪の毛の薄い会社員風の男性なんかは肩を叩かれていたので
流石に知人なのかと思いましたが、
その直後に「ああ、うんうん」と言ったきり、
あとはガン無視だったので
恐らくただそこに居合わせただけの私と同じアカの他人だったのでしょう。


その後も同じような目に何度か遭遇し、次第に慣れていきました。
今では見かけない日がむしろめずらしいくらいに思っております。



ところが、調査の結果、
10数年前には今ほどB系さん達の姿は街で見かけられなかったのだそうです。
つまり、増えていると。


そうなってくると、
私の中の猫をも殺す好奇心がウズいてしょうがありません。

私は俄然B系さんに興味がわきました。


まずは少しでも多くのB系さん情報を集めることから始めました。

B系さんを発見次第近づき、何について語っているのか、
どんな風にしゃべっているか、どこに所属しているか。

知人・友人などにも呼びかけ、
B系さん情報をできるだけ多く報告してくれるよう要望しました。
地道な作業は続きました。

一番長い例でいうと、
1人のB系さんのつぶやきを約30分連続で聞き続ける
という苦行にチャレンジしたこともあります。

その時は流石に頭がどうにかなりそうなくらいクラっときましたが、
その割りには、やった後の達成感的なものが皆無で、
酷く落ち込みましたね。
完全に一人だったことも原因かと思われますが、
帰宅までの足どりがやたらに重たかったことを憶えています。
そんな日に限って帰宅後も一人でした。
一人で飲んだ焼酎の味が妙に甘かったのは
割るために入れた林檎ジュースの糖分のせいだけではなかった気がします。

まぁそんなことはどうでもいいとして、データは充分集まりました。

さあここからが本題です。


調査結果から見ると、
ほとんどのB系さん達は何らかの組織(会社等)に所属していることが
明らかになりました。

私としては意外な結果です。

偏見かもしれませんが、組織に入る過程において
B系さんの特性上非常に困難と考えたからです。

例えば就職にしてもアルバイトをするにしても、
大抵の場合面接というプロセスを踏むのが確固たる日本の常識です。

その際、質問もしていないのに何かを語り始めたり、
質問と全く関係のない答えが返ってきた場合、まず採用はないでしょう。

しかしながら、現実として多くのB系さんはそこを突破しています。


これは一体どういうことか。
可能性の問題だけで言えば、
採用担当の質問に対し、
B系さんの独り言がたまたま奇跡的に合致したと考えられなくもないですが、
確率が低すぎます。
それでは大多数のB系さんが現在組織に所属している理由とするには
あまりに根拠が乏しく、飛躍しすぎと言えます。


それともう一つ。
B系さん達が組織に所属し続けられていることも私にとっては意外でした。
なぜなら、前述したように
B系さんは相手もいないのに会話をしているかのように
独り言をつぶやくので、
周囲を怖がらせてしまう可能性もあると考えるからです。

例えば、報告によりますと、
ある一人のB系さんはスーパーのレジ係りだったそうです。
そのB系さんは割りと分かり易い明らかなB系さんで、
仕事中もブツブツと独り言をつぶやき続けていたそうです。

想像してみてください。
あなたがスーパーに買い物に行き、
その日のお目当ての物を一通りカゴに入れてレジに向かう際、
目の前のレジ係りが客もいないのに何かをブツブツつぶやいているんです。

そんなレジ、ちょっと怖くないですか?

現場でも、当然客はそのレジを避け、
人が並んでいても他のレジに行ってしまい、
B系さんのレジはガラガラなのに、隣のレジに行列
という奇妙な光景が度々目撃されたそうです。

それはスーパーの経営サイド的にも回転率を下げることになりますし、
大きな問題となるでしょう。
しかし、そのB系さんはしばらくそのお店でレジ係りを続けていたそうです。



私は発想を転換させるべく、B系さんの特徴をまとめ、
そこから推理することにしました。

どうやらB系さんのほとんどは、
ブツブツ言っている自覚があまりないそうです。
思ったことや感じたことが、
自然発生的にそのまま言葉となって口に出てしまうという傾向にあるようです。

そして、もしそれを意識的に止めた場合、
ストレス過多によって身体に異常をきたす恐れがあるのだそうです。


それらの特徴を列挙した時、私はそれが何かに似ていることに気づきました。


サトラレ」です。


サトラレとは、佐藤マコト先生による同名の漫画作品で
2001年に『踊る大捜査線』シリーズで有名な本広克行監督によって
映画化もされました。

劇中の「サトラレ」は、
あらゆる思考が思念波となって周囲に伝播してしまう症状を示す
架空の病名、又はその患者をさす名称です。
正式な病名としては「先天性R型脳梁変成症」と呼ばれているのですが、
まぁそんなことはどうでもいいとして、重要なのは

サトラレが“例外なく国益に関わるほどの天才”だ、という点です。

サトラレは、
本人が自分の思考が周囲に伝わってしまっている事実を知りません。
もし本人に告知すれば、
全ての思考を周囲に知られるという精神的苦痛から
精神崩壊を招いてしまうため、
日本政府では「サトラレ対策委員会」と呼ばれる特務機関が
サトラレを常に監視・保護しているのです。



これで全て納得がいきましたね。


“全てのB系さんは例外なく天才であり、国に保護される立場にある”


そういうことです。


しかし、その事情をB系さん達が
うっかりメディアを通して知ってしまわないように、という配慮から、
計画は極秘裏に行われているのです。
我々一般市民が知ることも許されないほどの徹底ぶりなのでしょう。

またしても政府は隠しているわけですね。


恐らく増えてきた原因は、
10数年前当時には、B系さんの生まれ持った才能が
国に認知されていなかったのでしょう。
そう考えれば全て納得がいきます。




現在もあなたのすぐ近くで、
人知れず天才っぷりを発揮しているであろうB系さんを恐れず、
観察してみてはいかがでしょうか。


それと、もちろんあなた自身もね。



気づいていないだけで、実はあなたもB系さんの一人なのかもしれませんよ?

(まさかのホラー落ち)

日々011

東京都某区。


野良猫だらけの閑静な住宅街の一角に、
ある問題を抱えた一軒のお宅がありました。



和室で畳なのに、なぜか土足の部屋。



こんな理不尽な環境を覆すべく一人の男が立ち上がりました。



リフォームの匠、hiro-mixture(年齢不詳)住所不定 無職


「窮屈な暮らしなんてまっぴらごめんだぜ!でも断固最安。これ絶対な!」が
信条の彼を人は、「孤高の荒鷲」と呼びます。




それでは、孤高の荒鷲が挑んだその華麗なるリフォームの全貌をご覧いただきましょう。









まずはダイソーでこういうのを買います。
2枚組で105円(税込み)。



18セット(計36枚)購入しました。








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BEFORE
これが

















AFTER
こうなりました。


名付けて「ブラッククロー床」

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で、って?
いや、それだけ。上の動画貼りたかっただけだけどw